

インテリアの専門雑誌「室内」1997年3月号に、はじめてCAD (コンピュータを設計に応用すること)の特集が組まれました。コンピュータ利用に対して、否定的立場をとってきた「室内」がついにCADを扱ったということで、インテリアに関わる人々に衝撃が走りました。
問い合せの電話が殺到したことが記憶に残っています。当時、建築設計ではすでにCADを使うことが一般的になっていたにも関わらず、インテリアではほとんど使われておらず、消極的な意見が大勢を占めていました。それは、インテリアの業務が建築に比べ、規模が小さく、多義にわたり、高価なCADを使ったからといって省力化につながるとはとても思えなかったからです。そこで、インテリアの業務を詳細に分析し、CADの機能を一つ一つ対応させていきました。図面を描くだけのツールとしてしか認識されていなっかたCADでしたが、3D(3次元)のプレゼンテーションや色彩計画などほとんど全てのシーンでCADが使えることを実証しました。
インテリアに関わる人々に、もはやインテリアでもCADを使う時代がきたことを実感させたわけです。その後、長期にわたる連載につながり、CADをインテリアの分野で使うテクニックを次々に発表していきました。雑誌連載を基に多くの本が生まれ、それをテキストとして採用する大学、専門学校が多数現れ、インテリアの分野でのCAD普及に貢献しました。さらに2004年には、特にCAD利用率の低いリフォーム業界のために、図面と連動した見積書の作成をはじめとする利用法を提案しました。その他CADを普及させるために、執筆活動だけでなく、実際の教育の現場で教鞭をとり、CAD導入指導、ソフト開発や資格制度、コンテストなどの企画・運営にたずさわってきました。
現在、ソフトやハードの発展から、いままで難しいとされてきたことが容易にできるようになってきました。3Dのモデリング能力の発展は特に画期的です。CADをデザインする道具として捉え、3Dから空間を考え、自由にエスキースすることも可能になりました。それをさらに押し進めたものがBIM(Building Information Modeling)で、従来の2D(図面)から3Dを作成するのではなく、いきなり3D空間をコンピュータ上につくり、必要に応じて図面を取り出すことができます。都市生活学部では、いち早く本格的なBIMを取り入れた教育を行います。
東海大学大学院工学研究科(建築学専攻)修士課程修了。博士(美術)。
下元連の事務所を皮切りに多数の設計事務所を経て、1993年独立、同時にICSカレッジオブアーツCAD/CG科創設に参加。設計活動の他、武蔵野美術大学、女子美術大学、文化女子大、東横学園女子短期大学などで、CADによるデザイン教育に精力を注ぐ。一級建築士。日本インテリア学会理事。
作品:朝霞市コミュニティセンター(相和設計)、氷川生花市場、集合住宅「季庵」、東横学園女子短期大学50周年記念室。
著書:「建築デザイナーのためのShade 前川國男自邸」(アスペクト)、「VectorWorks12インテリアデザインブック」(毎日コミュニケーションズ)、「VectorWorksインテリアデザインガイド」(WORKS CORPORATION)、「VectorWorksではじめるリフォームCAD徹底活用ガイド」(技術評論社)など。

- デザインコンピューティング(1)・(2)・(3)、福祉住環境













































