

2001年9月11日、アメリカでの同時多発テロが起こり、世界中が動揺していた時期に、六本木防衛庁跡地の入札が行われました。オフィスマーケットが停滞する状況下で、2003年には、新たな大量供給が予測されていた当時、「三井不動産連合が1800億円で落札」という新聞の見出しが、世間の注目を浴び ました。

- 東京ミッドタウン
「都市を再生して、日本を元気にしたい」という強い思いで、プロジェクトが始まりました。研究所の所長として、開発コンセプトの策定段階から、六本木プロジェクト推進部(後の東京ミッドタウン事業部)と一緒に知恵を絞りました。「世界の才能が集まる交差点」「日本独自の価値の発信基地」「都会の中の緑のオ アシス」「多様性を許容する街」「東京のど真ん中」「洗練された大人の街」「上質な日常」など、理想的な街づくりを目指して、さまざまな議論が行われました。プロジェクトの名称を「東京ミッドタウン」と呼び合うようになってから、だんだんと皆の考える方向がまとまってきたような気がします。
東京の中心で、緑豊かな環境を創造して、日本=和のデザインを生かした、多様性のある街づくりをしようという意欲が、
1.Diversity on the Green
2.Hospitalityn
3.Japan Valuen
に収斂していきました。「世界の人が認める日本のデザインの発信拠点が欲しい」という、ファッションデザイナー三宅一生さんの夢を、安藤忠雄さんの設計する建物で実現できるかもしれないチャンスが、社内の研究会から生まれました。どうしても儲かるわけのない「デザイン美術館」を創るプロジェクトを推進するには、研究所という組織が頑張るしかないとの想いで、必死で社内を説得しました。経営陣の了解を得てからは、事業部の人々が一丸となり、共同投資家の説得、官公庁との折衝に努力し、「21_21 デザインサイト」が誕生しました。区立檜町公園と一体に開発された、4haの緑地の中に、大きな鉄板の屋根の安藤建築が、「都市に豊かさと潤い」を醸し出す姿は、多くの人の夢と知恵と努力の結晶です。
東京大学法学部卒業。
三井不動産販売営業課長、三井不動産文書課長、三井不動産S&E総合研究所長を歴任、現在東京大学工学部都市工学専攻街づくり大学院客員教授および東京藝術大学美術学部建築学科講師を兼任。これまでに、東京ミッドタウン、日本橋三井タワー、日本橋まちづくり、柏の葉キャンパスシティ、東京ベイ豊洲再開発、川崎西口再開発、大阪淀屋橋再開発、名古屋栄再開発等のプロジェクトのコンセプト策定、事業化推進に従事。
著書:「まちづくりの知恵と作法」(日本経済新聞社)、「活気ある都市センターを創る」(中央公論新社)、「東京都心散歩:中央区・港区・千代田区・新宿区・品川区」(日経新聞)など。

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