誰もが過ごしやすい環境をエコ(環境低負荷)に
作り上げるための数々の試み
ユニヴァーサルデザインとエコデザインを融合させる新領域の開拓者
西山 敏樹
そして私は、大学以降一貫して「モビリティ」、つまりあらゆる市民が移動しやすい環境の質的な向上策をユニヴァーサルデザインとエコデザインの融合という新しい領域の構築を目指しながら研究してきました。特に近年以下の様なプロジェクトを推進してきました。


この他にも、サーヴィスエリアやパーキングエリア等の高速道路の休憩施設、無人駅等でユニヴァーサルデザインとエコデザインの融合を進めてきました。ユニヴァーサルデザインとエコデザインの融合という新領域を開拓する上でのポイントは、常に市民の価値観を的確に把握し、価値観・制度・技術のバランスを考えながら現実的な解を導き出すことです。私はこのバランスを重視して研究を進めてきました。価値観・制度・技術は世の中を構成する三大要素と言われ、どれかが突出しているとユニヴァーサルデザインの本質的な実現が遠のくと言われます。今後の研究教育でもこの点を重視していければと思います。
略歴
1976年3月東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部、同大学院政策・メディア研究科修士課程および後期博士課程を修了し、2003年3月博士(政策・メディア)学位取得。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任講師、同大学院システムデザイン・マネジメント研究科特任准教授、同医学部特任准教授等を経て、2015年4月より現職。大学院環境情報学研究科や総合研究所未来都市研究機構の兼担教員。
国土交通省所管の一般財団法人地域開発研究所の客員研究員も永年兼務し、大学・シンクタンクの双方でユニ ヴァーサルデザインとエコデザイン(環境低負荷デザイン)の融合方策を実践的に研究・提案。公共交通でも、特に路線バスの活性化方策に明るい数少ない研究者の一人で、地方自治体の地域交通計画部門やバス会社のアドヴァイザ経験も豊富。ユニヴァーサルデザインを専門とする関係で、人々のニーズを吸い上げる社会調査の手法にも精通。
2005年と2007年にEcoDesign国際会議ベストポスター発表賞連続受賞,2014年グッドデザイン賞受賞、2017年東京都市大学優秀研究賞受賞、2019年日本イノベーション融合学会学術奨励賞をはじめ、内外の研究表彰多数。関連分野でマスコミにも登場多数。
著書:東京都市大学総合研究所未来都市研究機構他,都市5.0,翔泳社,2020年
西山敏樹,工学部生のための研究の進めかた,慶應義塾大学出版会,2018年
西山敏樹,交通サービスの革新と都市生活,慶應義塾大学出版会,2017年
西山敏樹,福祉技術と都市生活,慶應義塾大学出版会,2017年
西山敏樹,大学1年生からの研究の始めかた,慶應義塾大学出版会,2016年
西山敏樹,近未来の交通・物流と都市生活,慶應義塾大学出版会,2016年
西山敏樹他,インホイールモータ原理と設計法,科学情報出版,2016年
西山敏樹他,アカデミックスキルズ・実地調査入門,慶應義塾大学出版会,2015年
西山敏樹他,アカデミックスキルズ・データ収集・分析入門ー社会を効果的に読み解く方法ー,慶應義塾大学出版会,2013年
他関係する著書や論文多数
担当科目
<学部>
ユニバーサルデザイン、Urban Mobility、マーケティングリサーチ演習1、マーケティングリサーチ演習2、マーケティングリサーチ演習3、SD-PBL3ほか
<大学院>
都市システム特論、都市のリサーチメソッド演習、特別研究ほか