楽しみから安心まで、
都市の新たな生活価値を創出する
コミュニティづくりを目指して。
社会学者・コミュニティデザイン実践家
坂倉 杏介
大学院生の頃から私は、多様な文化的背景を持った人たちが創造的に出会い、ともに社会の文化を生み出すような場が、現代の都市には必要だと考えていました。いまでこそ地域の居場所やコワーキングスペースといった形でサードプレイス的な場は増えていますが、当時は(少なくとも東京には)そういった事例はなかった。そこで、「とりあえずやってみる」ことにしました。

やってみることで、いろいろなことがわかってきます。場があることでつながりができ、新しい出会いが、想いもしなかった活動やビジョンを生むこと。それが地域の生き甲斐や安心感にもつながること。まさにこれから必要とされる、都市型のコミュニティです。この小さな活動はその後、港区との連携で実施するコミュニティ活性化事業「芝の家」や「ご近所イノベーション学校」に発展していきました。

略歴
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程単位取得退学。博士(政策・メディア)。慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所特任講師を経て現職。多様な主体の相互作用によってつながりと活動を創出する「コミュニティ・プラットフォーム」という視点から、コミュニティの形成過程やワークショップの体験デザインを実践的に研究。地域コミュニティの拠点「芝の家」や大学地域連携の人材育成事業「ご近所イノベーション学校」の運営などを通じて港区のコミュニティ活性化事業を手がけるほか、地域づくりや企業におけるコミュニティ形成プロジェクトに多く携わる。三田の家LLP代表。NPO法人エイブル・アート・ジャパン理事、一般財団法人世田谷コミュニティ財団理事、一般社団法人おやまちプロジェクト理事、一般財団法人ユガラボ理事。
著書:「コミュニティマネジメント―つながりを生み出す場、プロセス、組織」(中央経済)、「わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために―その思想、実践、技術」(BNN新社)、「黒板とワイン―もう一つの学び場『三田の家』」(慶應義塾大学出版会)、「いきるためのメディア―知覚・環境・社会の改編に向けて」(春秋社)、「ソーシャル・イノベーションが拓く世界―身近な社会問題解決のためのトピックス30」(法律文化社)など。
担当科目
コミュニティマネジメント、都市の社会学、マーケティングリサーチ演習(1)(2)ほか